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ARUYO東海先発・東は3回無失点の好投で4回から2番手に後を託す |
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4回表、一死満塁から8番・根岸がレフトへ会心のタイムリーを放ち、神田川メイツが遂に均衡を破る |
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さらに9番・天達が見事にツーランスクイズを決め、メイツの攻撃は勢いを増す |
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最後は2番・広瀬のセンターへの適時打で、メイツはこの回一挙5得点 |
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追い詰められたARUYO東海は、最後の攻撃で4番・内ノ倉が意地の2点タイムリーを放つ |
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5年前にここ東京ドームで関東1部を初制覇したのを皮切りに今回自身4度目の関東制覇ならびに2度目の関東連覇を狙う王者ARUYO東海と、その同じ5年前の同じ日同じ舞台で関東2部優勝に輝いた神田川メイツとの運命的な激突となった関東1部決勝戦。
この日の大トリとして行われた関東頂上決戦は、序盤共に走者を出しながらもスコアに零を並べ合う緊迫の展開となったが、終盤4回に一死満塁から8番・根岸の先制タイムリーで均衡を破った神田川メイツが、この回一挙6安打の集中打で王者から5点ものリードを奪うと、最終回のARUYO東海の意地の反撃を2点に抑えて、5-2で勝利。
5年前に羨望した相手を下し、感動の関東初制覇を遂げた神田川メイツが、新関東王者として全国大会への初挑戦を決めた。

止まらなかった。止まりそうにもなかった。凄まじい集中攻撃だった。
3回裏、先頭の1番・古谷に内安打を許すなどで無死一二塁とピンチを背負いながらも、その回のARUYO東海の攻撃をゼロで凌いだ神田川メイツは、直後の4回表に打線が火を噴いた。
この回から替わったARUYO東海2番手・大塚投手を攻め、まずは先頭の4番・北澤がセンター前ヒットで出塁すると、一死から6番・細野、7番・鵜島も連続安打で続き、一死満塁の絶好機を作って打席に8番・根岸を迎える。
2回の二死一二塁の好機でサードゴロに倒れていた根岸は、この打席、持ち前の爽やかな笑顔を完全に封印し、まさに一振りに懸けていたように見えた。本部の一人はこの場面、根岸から明らかに打つオーラが出ていたと回想する。つまり、他人が視覚で捉えることが出来るほどの凄まじい集中力で、左中間へものの見事なタイムリーを放ち、遂に神田川メイツが1点を先制した。
歓喜に沸き捲るメイツベンチ。そこからはもう押せ押せだった。続く9番・天達がツーランスクイズを見事に決めると、ARUYO東海の鉄壁の守備にも乱れが生じ、さらに続く1番・相原のセンターへの安打が悪送球を誘って、もう1点を追加。最後は2番・広瀬のこの日2本目となる安打が5点目のタイムリーヒットとなって、この回の一気呵成の集中攻撃を締め括った。
ARUYO東海が刻んだこれまでの通算84戦の戦績の中で、5失点を喫した試合は予選でたった一度しか経験したことがない。それ自体が凄い数字だが、逆にだからこそ、そんな彼らにとっては実に屈辱的な形で窮地に立たされたことになる。それでも、そこから最後に魅せた王者の意地には会場中が魅了された。最終回、先頭の代打・清野がフルカウントから四球を選び出塁すると、一死から2番・杉本がレフト前ヒットで繋ぎ、一死一二塁としてここで4番・内ノ倉が意地の2点タイムリーツーベース。主砲の執念の一打で見事に溜飲を下げ、会場中の皆をも納得させた。しかし、5点のビハインドはあまりに重く、さらに試合を引っ繰り返すには至らなかった。これまで関東ドーム決戦で一度も敗戦を喫したことの無かった王者が、敢え無く初めての準優勝で力尽き、ゲームセットのサイレンを聞くこととなった。
5年前、2部優勝した時に、その後の関東1部決勝を制したARUYO東海を「スタンドで観た」と言う細野主将。「レベルの高さに圧倒された」と当時を振り返りながら、その相手を下しての関東初制覇に目頭を熱くしながら酔いしれた姿は、周囲を感動させた。
「100点を付けたい」と満開の笑顔で自らの殊勲打を評した根岸。強打者然とした見事な体躯を持つ彼が8番に座る打線は、全国でも脅威となること間違いない。新関東王者・神田川メイツが、ここぞの集中打を武器に、初の全国大会に挑み出る。 |