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3回表、パティエンス先頭の7番・岩崎がレフトの頭上を越すツーベースを放ち、これが猛攻の起点となる |
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無死満塁から1番・濱川がセンターへ鮮やかに先制タイムリーを放ち、走者2人が生還 |
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6回裏、メジャー先頭の8番・白木がセンターへ意地の安打で出塁し、ここから3連打と猛反撃に出る |
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最終回、二死二塁から7番・隠塚がタイムリーを放ち、メジャーが1点を返す執念を見せる |
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パティエンス先発・瀬崎(浩)は終盤相手打線の猛反撃に遭うも、粘りの投球で1失点完投勝利 |
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出場3年目にして初のドーム切符を手にしたパティエンスと、2012年、2013年と2度の九州ドーム準優勝歴を誇るメジャーとが、共に九州初制覇を懸けヤフオクドームで激突した2015年度九州1部決勝戦。
試合は3回表に1番・濱川の2点タイムリーなどでパティエンスが一挙4点を先制すると、その後は両チーム共に攻め手を欠き膠着状態に。しかし、終盤メジャーが猛反撃を仕掛け、土壇場最終回には7番・隠塚のタイムリーで遂に1点を返すが、最後まで粘り強く投げ抜いたパティエンス先発・瀬崎(浩)の前に反撃を断たれてゲームセット。
この結果、パティエンスが新九州王者に輝き、九州代表として全国大会への初出場を決めた。
相手の投手リレーの前に、6度もの三者凡退を喫したから、3回表に訪れたチャンスは文字通りのワンチャンスであり、そしてこのたった一度きりの好機を見事にものにしたことが良く分かる。
この回先頭の7番・岩アがレフトの頭上を越す会心のツーベースで出塁すると、その後も安打や四球などで無死満塁の絶好機を掴んだパティエンスは、ここで打席に入った1番・濱川がスリーボールを選んでから煩悩との葛藤に入る。つまり濱川も人の子、押し出しの色気が邪魔してフルカウントとされるも、最終的には見事に煩悩を払拭したからMVP当確である。最後は迷いの消えた佇まいから、打った瞬間それと分かる鮮やかなタイムリーをセンターに弾き返し、走者2人が生還。待望の先制点を挙げる。
ここでメジャーは先発・前田を諦め、2番手・吉野を投入するも、一度火の付いたパティエンス打線の勢いは容易には収まらず、一死二三塁から3番・稲葉が投手横へのバント安打を決めもう1点を追加。その後も相手のエラーなどでさらに1点を加え、この回計4点を挙げる一気呵成の猛攻を魅せる。
先発したパティエンスの瀬崎(浩)は、計7安打を浴びながらも要所を締める実に粘り強いピッチングを披露。遊撃手・稲葉らバックの堅い守りにも助けられ、メジャー打線を1失点に抑えてチームの九州初制覇に大きく貢献した。
悲願の初優勝を三度目の正直に懸けたメジャーにとっては、何とも非情な結果となった。それでも終盤魅せた怒涛の猛反撃や、3回以外は完璧に相手打線を抑え込んだ投手陣は実に見事だった。次なる四度目の正直へ、投打に確かな手応えを掴んだことは疑う余地もない。
この試合のキーワードはズバリ集中力だったと見る。3回表のワンチャンスで魅せた打線の集中力、そして、6回裏の相手の無死満塁の猛反撃を無失点で切り抜けた守備陣の集中力。いずれもチームの結束の強さの成せる業であり、この高いチームワークを武器に、新九州王者・パティエンスが続く全国大会で九州からの初の日本チャンピオン誕生へ挑む。 |