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三陽工業株式会社先発・片野は4回を1安打無失点と好投

新生会病院先発・助信は6奪三振の力投で最後まで投げ抜くも、終盤に痛恨の先制打を許す

6回表、新生会病院は先頭の9番・前津が特大左二塁打で出塁するも得点ならず

6回裏、エラーで出た走者を二塁に置いて、二死から3番・津田が殊勲の決勝二塁打を放つ

2番手・春日が新生会病院の最後の攻撃を三者凡退に打ち取ってゲームセット


九州優勝3回、準優勝1回、全国準優勝1回と錚々たるタイトルを誇り、3年ぶりの九州王座返り咲きを狙う名門中の名門新生会病院と、2016秋に初参戦するや否や、歴代九州ドームファイナリストを次々と退けてここまで勝ち上がった注目の新鋭三陽工業株式会社とが、福岡ヤフオクドームを舞台に火花を散らし合った2017年度九州大会決勝戦。

試合は新生会病院・助信、三陽工業株式会社・片野の両先発投手による緊迫の投手戦となったが、終盤6回裏、二死二塁から3番・津田がレフトオーバーの先制二塁打を放って三陽工業株式会社が遂に均衡を破ると、5回から替わった2番手・春日がすぐ裏の新生会病院の最後の攻撃を三者凡退に抑えてゲームセット。

津田の鮮やかな決勝打で壮絶な投手戦を制した三陽工業株式会社が、見事初出場初優勝を射止め、全国大会行きの切符を手に入れた。





昨年に続き今年もまた息詰まる投手戦が繰り広げられ、どちらも得点する気配がないまま淡々とイニングが進む。

しかし、いよいよ大会本部も2年連続九州ドロー決着の悪夢を覚悟した大詰め6回裏。三陽工業株式会社の主将・津田が、鮮やかに均衡を破る。

初回の二死二塁の先制機に空振り三振を喫した津田は、再び訪れたこの二死二塁の場面で、「チームのキャプテンとして絶対ここは決めなければいけない」との悲壮なる覚悟を胸に打席へ向かう。

そして、鬼の形相で一振り。凄まじい打球が瞬く間にレフトの頭上を越え、それを見届けた二走が小躍りしながら生還。鬼の顔から得意満面の“したり顔”に一変した津田が、セカンドベース上で高々とガッツポーズを掲げると、三陽工業ベンチはこの日一番の盛り上がりを見せた。

まさに打つべき打者が劇的に試合を決めた三陽工業株式会社。3年ぶりの九州王座奪還を狙った超大物・新生会病院の4度目の九州制覇を見事に阻止した彼らだけに、5年前に新生会病院が目前で逃した九州勢初の全国優勝にも、大いに期待が高まる。







#30・岩田監督(三陽工業株式会社):

『率直に嬉しい。ここからがスタートなので、(全国大会では)出来れば九州勢で初の頂点を取りたいと思います。』 

#10・津田主将(三陽工業株式会社):

『(決勝打の場面は)チームのキャプテンとして絶対ここは決めなければいけないと思った。打てて良かったが、何を打ったかは覚えていません。』 

#14・片野投手(三陽工業株式会社):

『野球を始めて優勝したことが無かったので、嬉しい。今日の調子は普通だったが、丁寧に投げることだけ考えました。』 

#16・春日投手(三陽工業株式会社):

『試合が緊迫したリズムで来てたので、1つアウト取るまで緊張した。全国大会では今まで通り変わらず準備をして、しっかり活躍出来るようにしたいと思います。』 

#10・石松監督(新生会病院):

『投手戦で良い試合が出来た。せっかくドームでやれるので、楽しんでやろうと話した。また1試合1試合勝利を目指して頑張りたいと思います。』 

#11・助信投手(新生会病院):

『こういう機会に投げられて、チームに感謝している。今回申し訳無かったので、次は自分が全国大会に連れて行きたいと思います。』 




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