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関東→関西→関東と東西を往き来したGBN日本チャンピオンの称号は2年ぶりに関西に舞い戻ることになった。3度目の全国挑戦で中部初の日本一タイトルを狙ったTIMEOUTだったが、その野望は実現目前にしてあまりに無情な形で幻に終わった。勝ったのは中央シャインズ。好投手・吉本の前に終始苦戦を強いられた彼らだったが、最後は頼れる主砲・飯田の大殊勲の一撃で実に劇的に2年ぶり2度目の日本一に輝いた。 |
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因縁カード始まる |
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奇しくも3年前、同じこの東京ドームで行われた'05全国準決勝と同じカードがこの決勝の舞台で再現した。当時は両者譲らず0−0ガップリ分けて勝負付かず、結局TIMEOUTの抽選勝ちとなったこの因縁のカードは、いきなり初回TIMEOUTの先制で幕を開けた。 |
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電光石火のTIMEOUT先制劇 |
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試合開始のサイレンが未だ鳴りやまぬ間に、「ストレートを待っていた」と言う先頭の金森がまさにそのストレートを見事に右中間に打ち返してツーベースで出塁すると、その後エラーの間に忽ち生還し、TIMEOUTが瞬く間に1点を先制。なおも一死から5番・早河の安打で満塁と攻め立てるも、6番・熊本のタタキ失敗でサードランナー西が三本間挟まれタッチアウト。結局この回1点止まりとなったTIMEOUTは、後で考えるとこれがあまりに痛かった。 |
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シャインズ投手リレー |
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立ち上がりに1点を失ったシャインズ先発・能津だが、その後は立ち直り2回、3回と三者凡退に抑えて4回からマウンドを土屋に譲る。連投となった土屋だが、タフなこの男は「相手のピッチャーが素晴らしかったので、もう1点も与えられなかった」とTIMEOUT打線を寄せ付けない気迫のピッチングでスコアにゼロの山を築く。 |
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攻めるTIMEOUT、凌ぐシャインズ |
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悲願の全国制覇を狙うTIMEOUTは天才・早河が2安打するなど終盤も執念の攻めを見せる。最終回も代走・神田が果敢に走り得点圏を狙うが、捕手・田浦の前に盗塁死、シャインズも執念の凌ぎで応戦する。 |
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吉本の快投 |
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久々の登板となった'06中部大会MVPのTIMEOUT先発・吉本。当時1安打完封した怪物・吉本はこの日も存分に快投を披露し、シャインズ打線をまさに手玉にとって6回終わって許したランナーは死球による1人のみ。全国決勝でのノーヒットノーランなる大記録はもはや達成間近、最終回を残すのみとなる。 |
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あまりに劇的な幕切れ |
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ところが最終7回ウラ、背水のシャインズは「必死に喰らい付いた」と言う先頭の7番・松下がまさに執念でセンター前に安打を放ち、吉本の大記録を達成目前で阻止する。それでも未だわずか1安打の完封負け目前、だが小林監督はまさにこの松下の安打で「行けると思った」と言う。その後一死二塁として、打席には4番・飯田、舞台は整った。会場全体が固唾を呑んで見守った、大投手・吉本と大打者・飯田の美しいまでの一騎打ちの結果は、「自分で決めるつもりで一振りに懸けた」と言う飯田に軍配。ツーストライクと追い込んだ吉本が最後に投じた炎の出るようなストレートは、飯田の渾身の一振りの前に左中間深くへ運ばれ、シャインズベンチの歓喜と共に二塁ランナー松下生還。何たる劇的な幕切れか、まさにワンチャンスをものにしたシャインズが劇的サヨナラで日本一の栄冠を手に入れた。 |
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