ＧＢＮ全国草野球大会

遂にゲレーロ胴上がる！・・・・・でも宙には舞わず。これまで数々の胴上げを目の当たりにして来たが、これほど「低い」、いや「重い」胴上げは見たことが無かった。

あまりに重かった。'04年から始まった中部代表・TIMEOUTの全国制覇への挑戦は、幾度も寸前での悔し涙を繰り返した結果、出場６年目にして遂に実を結んだ。故に、指揮官の目方のみならず、その歴史そのものに底知れぬ重さがあった。

おめでとう、TIMEOUT。嬉し涙を流した選手のみならず、思わず主催者も感極まったこの歴史的瞬間を決して忘れない。そして関西の地に２年連続日本一を持ち帰るべく勇躍した関西代表・牛若丸の、初出場での全国準優勝なる一大快挙にも大いなる賛辞を贈りたい。

牛若丸１番・松田が試合開始直後に目の覚める安打

決勝大一番の先発マウンドを任された関西MVP・古田

３回に松田の好走塁で試合を振り出しに戻す

６回に２番手として登板し三人で片付けた松谷

松田いきなり痛打も牛若丸先制ならず

ピンと張り詰めた重苦しい空気の中始まった決勝戦。しかし試合開始のサイレンが鳴り止まぬ間に、牛若丸のキーマン１番・松田がいきなりライト前に痛烈なヒットを放ち出塁。その後二死三塁まで進みTIMEOUT先発・黒の立ち上がりを攻めるも、４番・坂がセンターフライを打ち上げ、敢え無く先制機を逃す。

主砲・中川殊勲の先制打

牛若丸先発は関西MVPの古田。決勝大一番に満を持しての先発登板となったが、初回一死から２番・神田によもやの死球を与えると、その後二死二塁とされて打席には４番・中川。雰囲気満点で左打席に立ったこの長身スラッガーが、見事センターへの痛烈な先制タイムリーを放ち、早速TIMEOUTが１点を先制する。

牛若丸気迫で追い着く

続く２回は古田、黒の両投手がそれぞれ三者凡退に抑え、試合が落ち着きを取り戻したかに見えた直後の３回、牛若丸は一死一塁からランナー松田がすかさず二盗。流石の西も間に合わぬ見事な足で得点圏に進むと、続く２番・田中の二ゴロエラーの間に一気に生還。松田の気迫の好走塁で試合を振り出しに戻す。

タイムアウト執念で再び勝ち越す

初回に１点を失ったものの、以降は完全に立ち直り２回から４回までいずれも三者凡退に打ち取る流石のピッチングを見せた古田に対して、TIMEOUTは５回一死から７番・朝日、８番・熊本の連続ヒットなどで二死二三塁とし、１番・酒田が激走で内安打をもぎ取る間に朝日が生還。執念で再び１点を勝ち越す。

松谷好投で最終回に望みを託す

１点を勝ち越された牛若丸は６回２番手・松谷を投入すると、一死から４番・中川にバント安打を許したものの、後続をダブルプレーに打ち取り、結局この回を零封。味方の最後の攻撃に望みを託す。

小澤完璧、遂にTIMEOUT悲願達成

TIMEOUTは５回から３番手・小澤にマウンドを託すと、この小澤が実に見事な好投で応え、５回、６回と連続三者凡退に抑える。そして最終７回の牛若丸の攻撃も、反撃の糸口すら与えず同じく三者凡退で片付けてゲームセット。この瞬間、実に６年の長きに渡ったTIMEOUTの悲願が遂に成就、初の全国制覇が成し遂げられると共に、中部の地に初めての日本一の称号がもたらされた。

初回に先制タイムリーを放ったTIMEOUT４番・中川

先発し２回を無失点に抑えた黒

５回から替わって３回を完璧に抑えた３番手・小澤

終盤５回に１番・酒田のタイムリー内安打で勝ち越し

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【MVP】 TIMEOUT・中川選手

ヒーローインタビュー／冨士代監督（優勝監督）：

『（史上最多４度目の全国挑戦で遂に頂点）長かったです。（今日は）僅差の試合になるのはある程度分かっていた、この前の京セラドームから理想的な試合が出来たのではないかと思います。（決勝の継投は）京セラで勝った時点で決めていた、皆良く抑えてくれたと思います。（今後の目標は）連覇です。（スタンドに）今まで応援してもらいましたが、ようやく全国獲ることが出来ました、有難う御座いました。』

ヒーローインタビュー／中川選手（MVP）：

『（全国制覇の今の気持ちは）本当に勝てて嬉しかったです。（初回二死二塁の先制の場面）とにかく先に１点取ろうと、何でも食らい付いていこうと思って打席に入った。打った感触は最高でした。（今後の抱負）連覇出来るようにまた練習してまたここに来たいと思います。（スタンドに）応援有難う御座いました。』

冨士代監督（TIMEOUT）：

『（準決勝後の公約通り点を取っての勝利）良かった。本当はゼロで抑えたかったが、２点取れればいいなとも正直思っていた（笑）。ただ、もう少し相手投手を攻略したかったです。先発の黒が１イニングもてば勝てると思っていたところへ２イニング投げてくれたので勝利に繋がった。４番の中川があまり調子の良くない中で先制タイムリーを打ってくれてチームが乗って行けた。（悲願の全国制覇）全国を目指す野球をやるようになってから５年。厳しい中、選手が良く付いて来てくれました。』

中川選手（TIMEOUT）：

『とにかく先に点を取りたいと皆思っていた、その先制点が取れたので（MVPに）選んでもらえたと思う。（その先制打は）追い込まれていたので、打てるところに来たら打とうと思っていた。ここまであまり貢献出来ていなかったが、ずっと４番で使ってもらっているので、気持ちで打ちました。（相手投手の）コントロールが良くて真っ直ぐも走っていたが、何とか点が取れて良かったです。』

黒投手（TIMEOUT）：

『（大事な試合の先発を任された）事前の予告があり、一週間本当に胃が痛かった。こんなボクを信頼して先発に選んでもらって、何とか応えられて良かったです。１回は球が行かずにいきなり打たれて自分でもビックリしたが、逆に２回は開き直れたので今日は１００点。（リズムが良く好フィールディングも光った）吉本ピッチングコーチの教え通りです。（相手打者の印象は）初球から思い切り振ってくるので、良いバッターが多いと思った。（今後の目標は）連覇、そして完投です。』

小澤投手（TIMEOUT）：

『（３イニング連続３者凡退）ホッコリしました。（見事な救援だった）やはり緊張したが、こういう場面で力が出せて良かったです。点数は１２０点、つまり調子も最高でした。（相手打者の印象は）初球からドンドン振ってくるので、怖い感もあったが、タイミングがあっていないように感じたので、いけると思った。（今後の目標は）連覇、その時は先発で行きたい、監督にアピールしたいです。』

鎌倉監督（牛若丸）：

『（決勝戦を振り返って）やはり野球は難しいと思った。（３回は）良く追い着いた。相手のちょっとしたジャックルを見逃さない松田の好走塁は本当に凄かった。実力は向こうの方が大分上というのは分かっていたので、よくやれた方かと思う。初めてGBNに出てここまで出してもらって大満足です。（相手の印象は）元気も良くて、理想型、日本一に相応しいチームだと思った。（目標は）日本一と言いたいが、まだまだ地力を付ける必要がある。大阪にも強豪が沢山いるので、まずはそこと良い勝負が出来るように頑張っていきたいです。』

松田選手（牛若丸）：

『（３回同点に追いつく好走塁）二死でこちらも厳しかったので、何としても１点取ったると言う強い気持ちでホームに突っ込みました。（全体を振り返って）前半は元気よく行けたが、後半は皆疲れが出て元気がなくなってきた、投手が頑張っていただけに、あそこでもう少し雰囲気を盛り上げたかった。（良い捕手）試合操作出来ることや自分だけ違う方向を向いているのが楽しくて高校から捕手をやっている。（今後の目標は）個人としては野球を楽しむ気持ちを忘れないこと、チーム的には仲良く出来たら嬉しい。また東京ドームに来たいです。』

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